特別支援教育のメインディッシュ「自立活動」って何??
こんにちは、たか先生です。
支援学級の担任になったけど「自立活動」って何?
個別の指導計画の自立活動は何を書けばいいの?
初めて支援学級を担任する先生は「自立活動」という言葉は聞きなじみがないのではありませんか?自分自身も最初は「何をすればいいか分からない」と戸惑うことがすごく多かったです。
この記事では初めて支援学級を担任する先生に向けて以下の発信をします。
- 自立活動とは何か
- 自立活動には6つの項目がある
- 自立活動は具体的に何をするの?
- 自立活動の目標の立て方
「自立活動」は特別支援の要、料理で言うとメインディッシュです!難しい言葉をなるべく使わずに、何となくイメージしてもらえるように書いていきます。
「自立活動」って何??
自立活動とは学習や生活の基盤となる発達の土台となるものです。
個々の児童又は生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の
困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び
習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培う。
非常に難しい文章ですね、、、(私だけですか?)
この文章をchatGPTに分かりやすく書き換えてもらいました。
みんなが自分でできるようになることを目指して、勉強や生活で障害があっても困らないように、自分で考えて解決できる力をつけるために必要なことを学びます。それには、知識や技術だけでなく、考え方や習慣も大切です。これで、心も体もうまく育てることができます。
その子にとって学習面の苦手さや生活面の苦手さの原因を
克服することが目標です。
そして自立活動の内容は6区分27項目に分類されています。27項目全てを説明するととても長くなるので6区分の部分だけ解説します。
健康の保持
1つめは「健康の保持」です。日常生活を送るために必要な健康状態でいることを目指す内容です。
- 生活リズムが整っている
- 自分で体調管理をすることができる
- 自分に合った運動を選択することができる
- 意欲的に運動をすることができる
例えば体調が悪かったら先生に伝えたり、自分の体調や体力に合わせながら運動したりすることを目指しています。
心理的な安定
2つめは「心理的な安定」です。自分の気持ちや感情をコントロールして落ち着いて生活することを目指す内容です。
- 気持ちを切り替えて活動に参加することができる
- いつもと違うことが起きても受け入れて参加することができる
- 喜怒哀楽を自分なりの方法で表現することができる
- 見通しをもって活動に参加することができる
発達障害がある子はここが課題になることが多いです。「見通しをもたせてあげる」「腹が立ったら6秒だけ我慢してみる」などその子にあった落ち着く方法を見つけてあげましょう。
人間関係の形成
3つ目は「人間関係の形成」です。自分や他人について理解し、集団に参加するための基礎をつくることを目指します。
- クラスの友達や担任の先生が分かる
- 相手の表情や思っていることを考えることができる
- 予定や指示に沿って行動をすることができる
- 集団の中でルールやマナーを守れる
自閉症の子は相手の思っていることを想像することが苦手です。「相手の気持ちを考えなさい!」と頭ごなしに怒ることは「なんで100mを10秒で走れないんだ!」と言っているのと同じです。
環境の把握
4つ目は「環境の把握」です。視覚や聴覚などの感覚を活用し、周囲の状況を把握したり、適切な行動をしたりできることを目指しています。
- 自分の苦手な刺激に対応できる
- 動きのまねをすることができる
- 形や大きさ(三角や小さいなど)の違いを区別することができる
- 人やものをしっかり見ることができる
大きな音が苦手な子がイヤマフをしていたりします。これは「自分の苦手な音に対応ができている」と言えますね。
身体の動き
5つ目は「身体の動き」です。日常生活に必要な身体の動きを身につけることを目指しています。
- フラフラせず、立ち続けることができる
- ボタンをつけたり、ホックを留めたりすることができる
- 一定の時間集中して作業をすることができる
- 目と手を協応させて、作業をすることができる
「身体の動き」というと運動神経を思い浮かべる方もいますが、それだけではなく、手先の器用さや集中して作業を続ける体力も「身体の動き」に入ってきます。
コミュニケーション
6つ目は「コミュニケーション」です。時と場に応じたコミュニケーションの方法をとることができることを目指しています。
- 自分なりの方法で気持ちを伝えることができる
- 簡単な言葉の指示を理解し、行動することができる
- 質問を聞き、答えることができる
- 場にふさわしい言葉遣いをすることができる
コミュニケーションの方法は「言葉」「文字」「表情」「サイン」など色々あります。その中で自分の気持ちを伝えたり相手の言葉を理解したりできるようにします。
「自立活動」はいつ教える?
自立活動は通常学級にはない時間割です。
支援学級の時間割は基本的に中学校の学習指導要領に沿って作成することになっていますが、生徒の実態やニーズのよって柔軟に変えることができます。
特別支援学級では毎日の1時間目に「自立活動」をもってきていることが多いです。
- 朝のトレーニング(走る、ラジオ体操など)
- ソーシャルスキルトレーニング
- それぞれに応じた個別課題
また自立活動は「教育活動全体」を通して指導をするものなので、国語や数学で自立活動を取り入れたり、給食や休み時間などでも教えることができます。
「自立活動」は何を教える?
先ほど説明したように自立活動には6区分27項目で示されています。
しかしこれを全て教えなければいけないわけではありません。
まずはその子の実態を把握します。
「集中力がない」「切り替えができない」「ボタンをつけることができない」
などその子の様子からどんなことができるようになってほしいかを考えます。
そして必要な項目を選択し、具体的に行う内容を決めていきます。
Aくんは興味のある話を何度も繰り返し固執していましい、次の活動に取り組むときの切り替えが難しい。
- 心理的な安定
- 人間関係の形成
- 環境の把握
- 興味のある話ができる回数をあらかじめ決める。
- 自分で予定表を書いて見通しをもてるようにする。
こんな風に順序だてて考えるとそれぞれの子に合った内容を決められるのではないかと思います。
自立活動は特別支援の要です。どうすればその子の苦手を克服できるか、そして段々と人の手を借りず、自分一人でできるようになる方法を考えてあげられるといいですね。
今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。