子どものつまずきがみるみる解消!!「ビジョントレーニング」を徹底解説!
こんにちは、たか先生です。
発達障害の子どもをもつお父さん、お母さんはこんな悩みがありませんか?
- 集中力がない
- 手先が不器用、字が汚い
- ボールをキャッチできないなど運動が苦手
そういった子どもの苦手さは「視る力」の問題があるかもしれません。
人は受け取る情報の8割を目から受け取っています。視る力は視力だけではなく
「目で物を追いかける力」や「目から得た情報を脳で処理する力」などがあります。
「視る力」を鍛えることで多くの苦手さを改善できるのが「ビジョントレーニング」です。
自閉症やADHDなどの発達障害がある子は視る力が弱い傾向があります。
発達障害の特性を改善するためにもビジョントレーニングは非常に有効な
トレーニングだと思います。
この記事では、子どもの色んな苦手さに悩むお父さん、お母さんに向けて以下の発信をします。
- ビジョントレーニングのメリット
- ビジョントレーニングの具体的なトレーニング内容
集中力がないなど関係なさそうなものでも実は「視る力」が原因だったりします。
ビジョントレーニングのメリット
ビジョントレーニングをすることで、学習の苦手さや生活していく中での苦手さを
改善することができます。
ここではビジョントレーニングをすることで身につく5つの力を紹介します。
- 書く力
- 手先の器用さ
- 運動でできることが増える
- 集中力
- 記憶力
メリット①書く力
子どもが「字が汚い」「字の形がとれない」などの表れがあったときに
「きちんと書きなさい」「丁寧に」と声か絵をしていることはありませんか?
もちろん本人の意識の問題もありますが、そういった表れは視る力が弱いことも考えられます。
- 文字を正しく捉え、脳で処理をする
- 脳で処理した情報を手先に伝える
こういった力を鍛えると字の形を取れ、キレイに書くことができるかもしれません。
字がきれいに書けない背景には「やる気」以外にもたくさんの要因が考えられます。
メリット②手先の器用さ
「靴紐が上手く結べない」「美術や技術が苦手」こういった表れも「視る力」が関わっていることがあります。
何か作業をするときは、作業している手元を見ながら行いますが、視る力が弱い子は視線が手元を向いていなかったり、一点に定まっていないことも多くあります。
視る力を鍛えることで視線がぶれることなく作業をすることができ、できなかったことができるようになります。
メリット③運動でできることが増える
プロのスポーツ選手の中でも「ビジョントレーニング」が取り入れられています。
スポーツによって必要な力は異なりますが、ビジョントレーニングを積むことで、
スポーツの競技力が向上する研究結果もあるそうです。
- 速いボールをしっかりと目で追いかける力
- ボールやゴールとの距離感をつかむ力
- ボールを持ちながら周辺の状況を確認する力
特に球技の苦手さは「視る力」が原因になっていることが多いです。
キャッチボールができるようになるためには、「ボールとの距離感をつかむ」「跳んでくるボールをキャッチできるようにグローブを動かす」など単純に見えて多くのことを一度にしなければなりません。
運動が苦手で自信をなくしてしまったり、学校に行くのがイヤだったりする子もいると思います。
生まれつき持っているものもありますが、ビジョンをトレーニングをすることで、
「運動ができる」という実感をもてるかもしれません!
メリット④集中力がつく
「集中力」と「視る力」一見関係ないように思えるかもしれません。
集中力がなくなってしまう原因の1つに「疲れて集中力がなくなる」ということが考えられます。中学校だと50分授業で最初の10分は集中できるけど、残りの時間は先生の話を聞けず、ぼーっとしてるという子どもはいないでしょうか?
「視る力」が弱いと、板書を書き写すのに時間がかかったり、余計な情報に気を取られてしまって疲れてしまうことがあります。
ビジョントレーニングを通じて、「視る力」を鍛えることで、授業中に先生の話に集中したり、板書をスムーズに書き写せるようになると、集中できる時間が増えると思います。
メリット⑤記憶力を高められる
ビジョントレーニングをすることで記憶力も高めることができます。
漢字を覚えることが苦手な子は、漢字の形をうまく捉えることができていないのかもしれません。覚えたい漢字を脳で正しく認知されないと、脳が「これはいらない情報だ」とすぐに忘れようとします。
漢字や数学の公式などを覚えるときに正しく目で捉えることができれば、その情報が脳に定着しやすくなります。
「視る力」を鍛えることで勉強だけでなく、日常的の中である苦手さも克服できるようになります。
ビジョントレーニングの具体的な内容
ビジョントレーニングは主に3つの力を身につけるトレーニングです。
- 見えているものを素早く目で追いかけたり、ピントを合わせたりする力
- 目で捉えた情報を脳で正しく処理する力
- 脳で処理した情報を使って体を動かす力
1つずつどんなトレーニング内容が紹介していきます。その子によって「得意なこと」「苦手なこと」が違うのでまずは子どもの実態を知ることが大切です。
眼球運動トレーニング
1つ目は眼球運動トレーニングです。眼球運動トレーニングはこんな表れがある子に効果的です。
- 板書にすごく時間がかかる人
- ものごとに集中できる時間が短い人
- 本を読むときに本と顔の距離が近すぎる人
- 何か作業をしているとすぐに疲れてしまう人
追従性眼球運動トレーニング
難しい言葉を使っていて分かりづらいですが、ボールや鳥など動いているものを
目で追いかけたり、じーっと一点を見たりするなど、見たいものを正確に捉える力です。
発達が気になる子の学習運動が楽しくなるビジョントレーニング❘ナツメ社
この線めいろでは左側の○から迷路を目で進み、右の○のゴールにたどり着くトレーニングです。
ポイントは「眼球を動かして進むこと」です。
指を使ったり、首を動かしたりせずに、眼球を動かしながら進めるとよりトレーニングの効果が期待できます。
- 手先が器用になり、細かい作業が得意になります。
- 運動でボールがキャッチできたり、試合などで速い動きについて行くことができます。
跳躍性眼球運動
さっきの「追従性眼球運動」とは違い、今度は「跳躍性」です。
何が違うかというと板書などをとるときに黒板とノートを交互に見ますよね。
そのような視線を飛ばしながら何かを見ることを「跳躍性眼球運動」といいます。
発達が気になる子の学習運動が楽しくなるビジョントレーニング❘ナツメ社
数字探しでは1番から20番までの数字を順番に探していくトレーニングです。
やってみると分かると思いますが、さっきの線めいろよりも素早くたくさん眼球を動かしていませんか?ここでもポイントは指を使ったり、首を動かしたりせずに眼球だけを動かすことでトレーニングの効果を高めることができます。
- 板書を書き写すスピードが速くなります。
- 本を読んだり音読をしたりするときに行や文字を読み飛ばすことが少なくなります。
両眼のチームワーク
何かを見るときにそれが近くにあるのか、それとも遠くにあるのかは右目と左目を使って焦点を合わせることで判断することができています。
この右目と左目を上手く使って、見たいものの焦点を合わせるためのトレーニングです。
発達が気になる子の学習運動が楽しくなるビジョントレーニング❘ナツメ社
3Dビジョントレーニングでは、寄り目をして、近くに焦点を合わせたり、離れ目をして、遠くに焦点を合わせたりします。うまくできると2つの円の真ん中に円が飛び出して見えたり、奥に沈んで見えたりします。
- 何か作業をしているときに疲れにくくなります。
- 何かによくぶつかる人は、避けながら歩くことができます。
3Dビジョンができるようになるにはけっこう練習がいります。でもできるようになるとかなり嬉しいですよ!
視空間認知トレーニング
2つ目は「視空間認知」です。視空間認知のトレーニングはこんな表れがある子に効果的です。
- 漢字やひらがなをよく間違える
- 何かを書くときに鏡文字になる
- 三角形や星など図形が上手く書けない
- 人の顔を覚えることが苦手
「視空間認知」とは、目で見た情報を脳が適切に認識する能力です。
例えば3つの点が逆三角形に並んでいるものを見ると顔に見えたりしませんか。
それは脳が「この点の位置関係は顔かな」と認識するので顔に見えたりします。
見た情報を脳が適切に処理をしてくれると、はっきりとイメージをすることができ、ものを覚えやすくなったり、体が反応しやすくなります。
発達が気になる子の学習運動が楽しくなるビジョントレーニング❘ナツメ社
形と場所の記憶では、5×5のマス目に○、△、□などの記号がランダムに配置されています。これを30秒間で記号の形と場所を覚えます。
30秒後に覚えているか限りで記号を埋めていくトレーニングです。
このトレーニングでは、見た情報を脳でどれだけ鮮明にイメージできるかで30秒後に覚えられる量が変わっていくので、続けていくうちに「視覚認知」が高まっていきます。
- 漢字を覚えるのが得意になります。
- 人との距離や物の大きさを正しく把握することができます。
- 道を覚えることが得意になります。
目と体のチームワーク
目と体のチームワークのトレーニングはこんなあらわれがある子に効果的です。
- ラジオ体操やダンスなど真似をすることが苦手
- 手を使った細かい作業が苦手
- よく人にぶつかったり、何かに躓いたりする
脳で処理した情報は、最終的に体の色々な場所に伝えられ、実際に体を動かすことができています。
頭ではイメージができるけど、実際に体がイメージ通り動かないなんてことはありませんか?
これは脳から体に伝える「目と体のチームワーク」ができていないことが考えられます。
また「目と体のチームワーク」と一緒に「ボディイメージ」を高めることでより体を自在に動かせます。
「ボディイメージ」とは、自分の体の部位の長さや大きさ、動かし方などを頭の中でイメージできているかと言うことです。
例えば目をつぶって、両手を肩の高さまで上げてみてください。
そしてその位置を家族や鏡などで確認してみましょう。
「右手と左手で高さが違う」
「両手とも肩よりも手が高くなってしまっている」
このように手を上げるだけも少しズレが出てしまいます。これがスポーツやダンスになるとよりズレが出てきてぎこちなさに繋がっていきます。
ボディイメージはいろんな動きを経験したり、繰り返し同じ動きをしたりすることでより正確にイメージをすることができます。
発達が気になる子の学習運動が楽しくなるビジョントレーニング❘ナツメ社
じゃんけん体操では、左上から順番にあいこになるように手を出していきます。
このトレーニングでは、頭で「チョキを出せ!」という命令に体が応えて、チョキを出す練習をすることで命令をスムーズに伝えることができるようになります。
慣れてきたらあいこではなく勝ってみたり、負けてみたりすることでより命令が複雑になり、トレーニングの効果を高めることができます。
- 見本を見て体を動かすことができるようになる
- 細かい作業ができるようになる
- 文字を書くときにマスの大きさの合わせて書くことができるようになる
今回は「ビジョントレーニング」について解説をしました。
自閉症やADHD、LDの子はたくさんの苦手をもっています。
きっとお父さんお母さんはその苦手を克服するために色んなことを試しているのではないでしょうか?
ビジョントレーニングもその1つです。
試したことがない人はぜひこの本を参考に試してみてはいかがでしょうか?
今回の投稿は「発達が気になる子の学習運動が楽しくなるビジョントレーニング」を参考文献として使わていただきました。
最後に親が一生懸命になるあまり、子どもが嫌になってしまうことがあります。
大切なことは「子どもと一緒に楽しむ」ことです。一緒に楽しむことができれば
よりトレーニングの効果もも上がると思うので、楽しんでやってもらえればなと思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。